「なぜ悪い人の弁護をするのか」という質問

弁護士だと名乗ると「なぜ悪い人の弁護をするのか。」と質問されることがあります。

学生時代に弁護士を目指すと話した際、祖母から同じような質問をされて答えに窮したことがあります。教科書通りに「適正手続の理念」を説明しても抽象的過ぎて伝わりにくいのです。今では自分なりの説明ができるようになりました。わかりやすさだけを重視し刑罰の処罰根拠に照らせば不正確な部分もありますが、概ね次のように答えています。

 

「その人が本当に悪い人かどうか、誰にも分からないからだよ。単に本人が口下手で悪者だと誤解されていて、ちゃんと説明すれば誰だって同じような行動をとったとみんなに納得してもらえるかもしれない。誤解されたまま処罰されることが絶対に起きないように弁護士が必要とされている。本人の弁解を最大限代弁して、それでも裁判の中で真の悪者だとされたなら、それは適切に処罰されなければならない。」

 

このように説明すると、何となくでも弁護士の職責を理解してもらえているように思います。