「なぜ悪い人の弁護をするのか」という質問
弁護士だと名乗ると「なぜ悪い人の弁護をするのか。」と質問されることがあります。
学生時代に弁護士を目指すと話した際、祖母から同じような質問をされて答えに窮したことがあります。教科書通りに「適正手続の理念」を説明しても抽象的過ぎて伝わりにくいのです。今では自分なりの説明ができるようになりました。わかりやすさだけを重視し刑罰の処罰根拠に照らせば不正確な部分もありますが、概ね次のように答えています。
「その人が本当に悪い人かどうか、誰にも分からないからだよ。単に本人が口下手で悪者だと誤解されていて、ちゃんと説明すれば誰だって同じような行動をとったとみんなに納得してもらえるかもしれない。誤解されたまま処罰されることが絶対に起きないように弁護士が必要とされている。本人の弁解を最大限代弁して、それでも裁判の中で真の悪者だとされたなら、それは適切に処罰されなければならない。」
このように説明すると、何となくでも弁護士の職責を理解してもらえているように思います。
マンション建替え手続
マンション建替え手続の概略
マンションの建替えは居住者の住環境に重大な影響を与えるため、区分所有法上、極めて厳格な手続が規定されています。建替えを実施するにあたっては、まず手続の概略について確認し、再建建物の基本設計、取壊し及び再建建物の建築に要する費用等について計画を策定した上で、各区分所有者に集会の招集通知を発送することになります。その後、説明会を開催し、決議を実施します。可決された場合には、賛成者から非賛成者に対して区分所有権の売り渡しを請求することができます。賛成者が区分所有権の全戸を確保した段階で、実際に建替え工事に着手することが可能となります。これらの手続を経て、実際に解体工事に着手するまで長期間を見込む必要があります。
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